「リオ五輪後」までの延命を求めた本当の理由

東京都の舛添要一知事の政治資金などをめぐる疑惑は、6月13日の都議会総務委員会による集中審議を経ても晴れなかった。これまで同様の答弁を繰り返し、疑惑解明に向けた努力を見せない舛添氏への世論の反発は強く、都議会与党からも辞任論が出ている。共産党など野党は不信任決議案を提出する考えだが、舛添氏は「猶予していただきたい」と提出先送りを懇願した。辞任はいつになるのか、次期都知事選はどうなるのか。最終攻防を迎えた舛添問題の今を追う。

「私に対する不信任案が可決された場合には、辞任するか議会を解散するという選択を迫られる。選挙の時期がリオ五輪・パラリンピックのときに重なる。極めてマイナスだ」。舛添氏は13日の総務委員会で最後の質問が終わると、突然発言を求めて不信任案の提出先送りを求めた。都議会解散をにおわすという舛添氏の最後の抵抗とされ、一部の都議からはリオ五輪後までの在職を許可しても構わないとの声が漏れた。

なぜ、リオ後なのか。ある都議会関係者は「あわよくば辞職したくない舛添氏と、自分たちが主導して後継候補を擁立したい自民党最長老組の思惑が一致する時期だったのではないか」と見る。世論から猛反発を受けている舛添氏としては、9月議会まで延命できれば世論の風向きが変わることを期待できる。自民党長老組としては、自分たちの言いなりになる後継候補を見つける時間を確保できることを意味する。ただ、都議会与党の公明党が舛添氏に辞職を求めたのに対して、自民党の追及は甘く、厳しい批判の声があがっている。