WHY(なぜ、それをやるべきか)についてあまり「わかっていない」のであれば、背景や原因の分析データ、プランのコンセプトを中心に話を進める必要があります。仮にナレッジマネジメントのシステムの導入を促したい場合、相手に「業務中の情報検索にかかる時間は、調査によると年間150時間。ほぼ1カ月は探し物をしていることになります」というようにWHY情報を明確に示すのです。
WHATの情報は、「相手が解決策そのものを知っているか否か」という部分です。先のナレッジマネジメントであれば、その種のアプリケーションやツールを解決策として知っているかどうかです。
HOWの情報は、相手が「なぜそれをやるべきか」「何をすればいいか」がわかっている場合で、こちらの対策としては、具体的に「どうしたらいいのか」を示唆します。
他社の事例や進め方の詳細なアプローチ、想定される課題への対応策など、実現方法を具体的に見せることで相手にイメージを与えましょう。
「理解」欄では、収集した「情報」をもとに相手の理解レベルの全体像を導き出します。WHYが腹落ちしていない場合には、いくら具体的にHOWを語っても無駄な時間になってしまいます。その場合、前半を啓蒙的な内容にして一定のページ数を割く必要があります。一方、すでに危機意識や準備が整っているのであれば、序盤から具体的な内容、つまりWHATやHOWに重きを置きましょう。
プロファイリングシートの締めは、「仮説」の構築です。
プロファイリングのデータを読み込み、鋭い仮説を導き出す。実はここが勝負の分かれ目といえます。データはしょせんデータです。そこから、法則や傾向を発見し、精度の高い仮説に結びつけてこそ、資料の完成度は上がり、ひいてはプレゼンの成功につながります。学歴や出身地などを深く読み込み、ターゲットの幼少時の風景を思い浮かべるという人もいます。その人に寄り添うことで、相手の心に響くストーリー展開や比喩などの表現も、きらりと光るものとなるでしょう。
ポイントは、相手の期待を超えるサプライズがあるかどうか。それは月並みな言い方ですが、ターゲットに対する思いの深さによります。言い換えれば、自分が関わっている資料作成のテーマとそのターゲットをどれだけ好きになれるかということ。それがプロファイリングのカギになるのです。