日本郵船グループの郵船クルーズが運用する日本を代表する客船、飛鳥II(以下では、「飛鳥」と記す)に乗り、講演をするという仕事を時々させていただいている。
先日も、ワールドクルーズの中の、ニュージーランドのオークランドからタヒチのパペーテまでの航路に乗せていただき、お話ししてきた。
飛鳥は、言うまでもなく豪華客船。乗っていらっしゃるお客さんは、長年仕事をされてきて、その後のゆったりとした時間を楽しまれている方々が中心。何度も飛鳥に乗っていらっしゃるというリピーターも多い。
飛鳥のクルーズを1つの「商品」として考えると、これほどその「消費」の所要時間が長いものは珍しい。何週間も、時には何カ月にわたって船の上で過ごす。その間、顧客に満足を与え続けなければならない。
飛鳥のオペレーションを見ると、戦前からの客船運用の長い歴史を誇る日本郵船グループならではの、さまざまな工夫が凝らされている。
船旅で一番期待されることの1つ、食事。複数のレストラン、あるいはルームサービスで楽しむことができるシステムになっていて、その日の気分や体調によって選択できる。和洋中のバランスがよく考えられていて、毎日食べていても飽きない。
通常の食事時間以外にも、軽食や茶菓子を楽しむことができる。例えば、前の晩飲んでいて少し遅い時間に何か食べたいという需要にも、対応している。
夕刻には、毎日必ず何らかのエンターテインメントがある。音楽やダンス、さらには落語まで。寄港地ゆかりのローカルショーや、クルーが参加する特別の出し物もある。