さて、20~30代は結婚や子どもの誕生といった人生のイベントが目白押しです。これらは自分の価値観で判断してもらえばいいのですが、資産形成に関わってくる部分もあるので注意が必要です。

結婚は、できるだけ早い時期にするのがお勧めです。妻が働いていれば収入源が2つになり、投資のための元手を貯めやすくなります。また1人暮らし同士なら、同居することで固定費を圧縮できます。たとえば家賃7万円のところに住む2人が結婚すれば、新居はせいぜい家賃12万円。2人で家賃計14万円を払うより安く済みます。

結婚相手の性格も重要です。お金持ちのご夫婦を見ていると、奥さまは堅実なタイプであることがほとんどです。一般論ですが、派手な美人はお金遣いが荒く、旦那が稼いだそばから浪費していきます。これでは穴の開いたバケツに水を注ぎこむようなもので、お金が貯まりません。

もっとも、堅実すぎるタイプもお勧めしません。銀行預金以外の方法で運用することに難色を示すからです。株式や投信でさえ眉をひそめる人が多いので、不動産で儲けると言ったら離婚を切り出されてしまうかもしれません。生活は控えめで、投資にも理解があるというほどほどの堅実さが理想です。

もう1つ考えなくてはいけなのが子どもの問題です。出産ると奥さんのキャリアが中断て収入が途絶えます。そう考ると、子どもを持つのは元手1000万円が貯まってからほうがいい。資産形成に振り回されるのはよくないので、1000万円貯まるまでつくらないというより、子どもを産むために早く元手を貯めようという意識づけができれば十分です。

本田 健(ほんだ・けん)
経営コンサルティング、会計事務所など複数の会社を経営する「お金の専門家」。主な著書に『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』など。最新刊は、『人生を変えるメンターと出会う法』。
藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー。「家計の見直し相談センター」の看板相談員。教育費と老後資金の危機を憂える著書『やっぱりサラリーマンは2度破産する』や『1億円貯める人のお金の習慣』が好評。
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