複雑→単純へ、分解、再構成

用意するもの:真っ白な紙とサインペン。
やり方:言葉で説明せずにトーストのつくり方を絵にする

それを図にしていくと、描いた人にとって「トーストとはどういうものか」という体験や視点が見えてくる。まず「パン派」の人はパンが焼けていく過程や、焼きあがったトーストの変容ぶり、場合によっては小麦を収穫するところから描く。「人派」は、人にとってそのパンがどういう存在であり、その人にとって味がどんな風かが大切になる。「トースター派」はエンジニアに多く、トースターの内部がどうなっているかを解明することが命題となる。「流通派」は輸送網やサプライチェーンにまで考えが及ぶ――。

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図解のアプローチは多種多様だ

視点はバラバラながら、共通しているところは、誰もがノード(ここではイラストや節)があり、それを⇒など矢印でつないで図化している点だ。これによって、その人がトーストというシステムモデルをどのようにとらえているかが見てとれる。

ウージェック氏は「ノードの数を数えることで 複雑度を測ることができます」という。平均的な図には4~8個のノードが見られる。 4個未満だと単純すぎるが、一目で理解できるメリットがある。ノードが13個以上だと煩雑すぎるため、最適なのはノード数5~13個だ。何かを視覚的に伝えたい場合は、5~13個のノード(イラストなどの節)がある図を使うと、相手に伝わりやすくなる。「私たちは複雑なものを単純なものへと分解し、再構成する方法を直感的に理解している」というわけだ。

紙ではなくカードやポストイットなどにそのノードを書いていくと、よりステップの分析になりやすい。レゴブロックのように移動して並べ替えることで、考えたり分析したりする作業がより簡単になるだろう。たとえば文章を書くとき、プロジェクトの構成を考えるときなど、とにかくアイデアや情報を書きだして、それを必要なプレゼンや原稿に落としむために並べ替える方法もある。大切なのは、まずは“重要な項目”を把握することだ。

これをグループでやるとどうなるだろうか?