3月や9月になると、「決算セール」などと称して、在庫処分のための激安販売キャンペーンが街角の店舗でよく見受けられる。ノルマがまだ達成されていない場合とか、売れ残りの余剰在庫があった場合などは、従業員自身の給与査定などにも響くだろうし、各社、各店舗とも追い込みに必死なのだ。

ところで、事業活動を円滑に行い、ビジネスチャンスをものにするためには、どうしても一定量の在庫をいつも用意しておくことがのぞましい。顧客から「○○の商品をください」と注文されたときに「在庫がなくて……」では、その顧客をライバル企業にとられてしまう。だから、いきおい、多めに商品や資材の在庫を抱えてしまいたくなる。

しかし、必要以上に抱えた不要不急の在庫は、維持コストを食う金食い虫であり、「ゴミ」と何ら変わらないのだ。しかも、いったんたまりだすと、そのゴミを一掃しようという意識がどんどん低下する。時間が経つほど価値が上がるのは、一部の骨董品や美術品くらいのもの。たいていの在庫は、時間の経過とともに時代遅れとなり、値段が下がっていく。

(高橋晴美=構成 ライヴ・アート=図版作成 )