異色のサラリーマン経営者の代表的存在とは?
1億~9億円台を含めて、配当長者が多い業種のひとつが小売である。
ビックカメラ、コスモス薬品、アダストリア、パル、コメリ、ヤオコー、ヤマダ電機、ドンキホーテHD、ワークマン、ナフコ、DCMHD、三城HD、ツツミ、VTHD、西松屋チェーン、サマンサタバサジャパンリミテッド、ハニーズ、ユナイテッドアローズ、コーナン商事、サックスバーHD、ライフコーポレーション、ライトオン、エディオン、ケーズHD、青山商事、アークス、ツルハHD、カワチ薬品、イズミの現経営陣や元経営陣の自社株配当金が1億円以上である。通販のベルーナの安野清社長の配当金は5億5000万台だ。
複数の経営陣がランクインしている企業も目立つ。中古車販売のガリバーインターナショナルは2人の社長や元会長を含めて3人、シューズ販売のチヨダとドラッグストアのマツモトキヨシHD、調剤薬局の日本調剤はそれぞれ2人がランクインしている。
AOKIHDは青木拡憲会長以外に配当金が9000万円台の経営陣が3人おり、1株配当金が増額になれば、複数の経営陣が配当金1億円以上になるはずだ。
特筆すべきは、セブン&アイHDの鈴木敏文会長だろう。自社株配当長者のほとんどが創業オーナーやその一族というなかにあって、鈴木氏は書籍取次のトーハンからの転籍組である。1956年に入社したトーハンから、63年にセブン&アイHDのグループ会社、イトーヨーカ堂に転じたように、サラリーマン経営者の代表的存在である。
外食や給食、持ち帰り弁当では、プレナスやサンマルクHD、ドトール・日レスHD、シダックス、トリドール、ひらまつ、ハイデイ日高の関係者がランクイン。
一方では、配当長者の常連であるゼンショーHDの小川賢太郎会長兼社長やワタミの渡邊美樹元会長は、業績不振により無配当に転じたことで自社株配当金はゼロになっている。所有する自社株が多いだけに、1株配当金の増減で受け取る配当金の変動が大きいということだ。ちなみに、ゼンショーHDの13年度1株配当金は16円で、小川会長兼社長の配当金は8億円台だった。
ミクシィやスタートトゥデイなどに限らず、ネット関連企業にも配当長者が目立つ。GMOインターネット、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、サイバーエージェント、コロプラ、日本デジタル研究所、ぐるなび、DeNA、一休の経営トップなどである。セキュリティソフト「ウイルスバスター」のトレンドマイクロは、会長と社長が配当金1億円以上でランクインしている。