なんとなく信頼できる印象を与える人と、そうでない人。心理学的な観点からみて、両者にはどのような違いがあるのだろうか?

会話をするときにテーブルの上に手を乗せること自体も、相手に好意を抱かせる。なぜなら、文字通り「手の内を明かす」ことにつながるからだ。「手の内を明かす」は、秘密を明かす、正直になるという意味の慣用句だ。一方、「手の内を見せない」は、隠し事をしていること。事実、手が見えないと相手は不安な気持ちになる。

このような人間の体の一部を用いた慣用句を「ボディーターム」というが、これは、ほぼそのままの意味でとらえて構わない。相手に手のひらが見えるようにすると、「手の内を明かす」状態になり、話を信用してもらいやすくなる。アップルの創業者である故スティーブ・ジョブズが、手のひらを見せながら話をしていた姿を憶えている人も多いだろう。あの仕草には、意味があるのだ。

(構成=大山弘子)
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