優秀なプレイヤーが独裁的管理職になってクビ
出世したとたんに舞い上がってしまい、わがままに振る舞う独裁者タイプに変貌する人もいる。外資系広告業の人事部長はこう言う。
「自分の言ったことが絶対であり、部下の聞く耳を持たない部長もいます。部下に発破をかけ、短期的な利益を追うことに一生懸命だったが、やがて部下が疲弊し、仕事のやる気まで失わせてしまいました。怒った部下たちが経営陣に直訴し、結果的に会社をクビになりました」
こうした独裁者タイプはプレイヤーとして優秀だった人に多い。電機メーカーの人事部長は「自分と他人は違うものだと認識していない人が圧倒的に多い」と指摘する。
「自分のキャラと部下のキャラが違うことを認識できないために、命令口調になり、一方的に指示・命令し、部下の話を聞かなくなります。成果が出せない部下に対して、どうしてできないのかとむかつき、褒めるよりも責め立てたることが多くなり、結果的に組織として成果が出ないスパイラルに陥ってしまう。そうなってしまえば管理職として失格です」
昔であれば課長、部長に昇進すれば降格させられることはめったになかった。しかし、今では管理職の資質が疑われたら、いつ失脚してもおかしくない時代なのだ。