一人を失ったからといって
嘆くことはない。
女と男は半分ずついるのだ。
戴聖●儒学者
後漢朝について書かれた歴史書『礼記・後漢書』より。失恋しても、ほかにも大勢恋の相手はいる。さすが、古代から多くの民を有してきた中国ならではの明快な考え方だ。
忘れるに任せるということが、
結局もっとも美しく
思い出すということなんだ。
川端康成●作家
これは小説「散りぬるを」の中で、主人公である小説家が自問自答しながら出した答えだ。初恋の痛みを長く引きずっていたと言われる川端康成自身の実感がこもっている。
恋して恋を失ったのは、
まったく愛さなかったより
ましである。
アルフレッド・テニスン●詩人
親友を弔う長詩『イン・メモリアム』の一部。ヴィクトリア女王もこの詩を愛し、王の没後は心の慰めにしていたという。失恋しても「成長できた」と前向きになれる金言だ。