3つ目の質問は「掃除はどうしているのか?」です。私に関していえば、清掃は完全に外注です。もともと苦手ということもありますが、自分の留守中も稼働できるようにするためには、これが一番。東京なら、区の「シルバー人材センター」に依頼すれば割安です。英語力を重視するなら「ピナイ家政婦サービス」など、フィリピン人家政婦専門の紹介業者もあります。その料金がかさむなら、宿泊代とは別に「清掃料金」を設定してもいいでしょう。

ぜひ政府には、「Airbnb」のような民泊の法整備を進め、国民全体に強く推奨していただきたいと思います。このサービスが広まれば、2020年の東京オリンピック、その前年に開催されるラグビーW杯における宿泊施設の不足問題が解決できます。不要なホテルをつくって20年以降に困ることもなく、今ある建造物をそのまま転用できるというメリットもありますし、自治体を悩ませている空き家も有効活用できます。私の住居も元は空き家でした。

ホスト側にはお金以外のメリットもあります。たとえばお子さんがいる家庭なら、生きた英語に触れるいい機会になるでしょう。私自身は翻訳家ですが、語学力がなくても運営は可能。ネットで調べれば注意書きレベルの英語は簡単に見つけられるので、困ることはありません。いっそ、「私たち夫婦は英語が話せません。でも、子どもに英語を教えたいので、夕食を無料提供します。一緒に日本の家庭料理を楽しみませんか?」と言ってもいいでしょう。そうすれば、食事代を浮かせたいゲスト側にもメリットが生まれます。ちなみに私は趣味のチェスの相手を得るために、「勝ったら翌日のランチをおごります」と宣言しているので、それを目当てに勝負を挑んでくるゲストも大勢います。また、常時2部屋を貸すことで、同時期に滞在した2組が仲良くなり、一緒に観光を楽しめるという「旅先での出会い」のメリットもあるようです。

──多くの課題を残す民泊サービス。観光客の増加で、宿泊施設が足りなくなる20年に向けて、政府には適正な法整備が求められている。
(村上庄吾=撮影)
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