シャツは6000円靴は4万円からが目安

スーツ以外の小物は、シャツは6000円、ネクタイは8000円、靴は4万円、ベルトは1万円、鞄は3万円が、最低限の目安になります。量販店では、スーツと一緒に、もっと安い価格で販売されていますが、あまりおすすめしません。量販店はあくまで「スーツの専門店」。それ以外の小物は「シャツの専門店」「靴の専門店」で購入したほうが品質にも優れ、結果として買い得です。特に靴は専門店で選びましょう。足下は印象を大きく左右しますから、ある程度の予算を割き、手入れを怠らないようにしたいところです。

ビジネスシーンのファッションでは、「悪目立ち」は禁物です。スタンダードな良いものを、じっくり吟味して買い揃えるのがいいでしょう。このためセール期間に駆け込んだり、アウトレットモールで不慣れなブランド物を買ったりすると、「安物買いの銭失い」になりがちです。

私がおすすめしているのは、自分のスタイルに合ったブランドやショップへ、仕事帰りに立ち寄るような買い方です。普段の仕事着で売り場を訪ねれば、店員からも具体的なアドバイスをもらえるはずです。

自分のサイズを知り、必要な物がわかっている人なら、セールやアウトレットも有効に活用できるでしょう。一方、必要な物がわからず、「セールだから」「アウトレットに来たから」という買い方では、余計な物が増えるだけです。そうした「ついで買い」のアイテムは、ビジネスの相手にも落ち着きのない印象を与える恐れがあります。

スタイリスト 森岡 弘(もりおか・ひろし)
1958年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。男性ファッション誌の編集者としてキャリアを積み、96年に独立。『男のお洒落の方程式』『デキる男のお洒落の極意』など著書多数。
(構成=プレジデント編集部)
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