まずはトレーニングの前に、現在の米倉さんの声を録音して聞いてみることに。『キリンビールマーケティングで営業を担当しております、米倉丈堅です。本日はお忙しいところ、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます』

自分の声を聞いた米倉さんは、「うーん、思ったより早口ですね。それに噛みそうで危なっかしい」と落ち込み気味。永井先生の「米倉さんは背が高いから、もっと低い声が出るはずですよ」という励ましに気を取り直して、レッスン開始。

【1】録音してみよう

トレーニングを始める前に、自分の声をスマホのボイスメモやICレコーダーで録音して聞いてみよう。自分の耳に聞こえている声とは大きく違っているはずだ。例文を自分の名前に替えて、普段の調子で読んで録音し、再生した声をチェックリストを使って客観的に判断してみよう。

【2】「横隔膜スイッチ」を試してみよう

▽例文
キリンビールマーケティングで営業を担当しております、ヨネクラヒロタカです。本日はお忙しいところ、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。

▼チェックポイント
1. 深くしっかりと息を吸っているか
2. 思った程度に低い声が出ているか
3. 思った程度に大きく響く声が出ているか
4. 思った程度にゆっくりと話しているか
5. 全体に明るく堂々とした印象を受けるか
6. 言葉と言葉の間が詰まっていないか
7. 「あー」「えー」と余計なつなぎが入っていないか

※レッスンの後、どれだけ声が変わったか再度チェックしてみよう

最初の変化は「横隔膜スイッチ」を押したときに訪れた。まるでスピーカーの音量調節スイッチをひねったかのように、声が大きくなったのだ。米倉さんが「まったく喉に力を入れていないのに」と驚くと、永井先生は「喉は関係ないんですよ」とにっこり。

【2】「横隔膜スイッチ」を試してみよう

押すだけで美声になれる魔法のスイッチは、誰にでも備わっている。スイッチのある場所は、肋骨のすぐ下、おへその上あたり。この「横隔膜スイッチ」を押すことで、横隔膜が動きだし、大きな声が出るようになる。足を肩幅に広げて立ち、「あー」と声を出しながら両手でこぶしをつくり、横隔膜スイッチをグイッと押してみよう。大きな声を出そうとしなくても、自然と大きな声が出ることに驚くはずだ。