客に「この人から買いたい」と思わせる声がある。そんなミラクルボイスをつくるトレーニング法を公開。レッツトライ!

[生徒]キリンビールマーケティング 米倉丈堅さん
入社6年目の29歳。東京都某区エリアの料飲店を回り、ビールを販売する毎日。「お世話になってまーす!」と明るく元気に訪問するが、最近「いつまでも若者のような調子でいいのだろうか?」と考えるようになった。
[先生]ボイストレーナー 永井千佳さん
長年の音楽指導ノウハウを活かし、ビジネスパーソンへボイストレーニング・ワークショップを実施。また企業経営者にはマンツーマンの発声指導も提供している。著書に『DVD付リーダーは低い声で話せ』がある。

 

「いい声」ってどんな声?

「声が低くなると、営業成績は高くなります」。きっぱりと言い切るのはボイストレーナーの永井千佳先生だ。営業マンの声の高さと売り上げは反比例するというのである。

「上ずった甲高い声や、小さい声でモゴモゴ話す人は、自信がなくて頼りない感じ。よく通る低い声は、力強さや安心感、器の大きさを感じさせます。これは男性だけでなく女性も同じ。ぜひこの人から買いたいな、と思わせる効果があるのです」

永井先生によれば、2時間もあれば誰でもかなりいい声になるという。はたして人間の声はトレーニングでどこまで変わるのか。現役の営業マンに特訓を受けてもらうことにした。

実験台になってもらうのは、キリンビールマーケティングで営業をしている米倉丈堅(ひろたか)さん。入社6年目の29歳だ。米倉さんはそれほど声が高くはないが、なぜかお客さんと話すときは高くなるという。

「特に電話で“おはようございまーす”とか、“お世話になってまーす”と言うときが高いですね。声が低いと、元気ないとかテンション低いとか思われそうで、どうしても地声より一段高くなっちゃうんです」

30歳を目前にして、そろそろ貫禄をつけたい米倉さん。もうちょっと低い声でゆっくり話せないかと悩んでいたところだった。

「低い声でも、元気があるように聞こえる方法があります。ただ低いだけの声は寝起きみたいな感じですが、しっかりした声を出せば、気力が充実している印象になりますよ」
「本当ですか。よろしくお願いします!」

永井先生の言葉に、米倉さんもやる気を刺激されたようだ。