情報収集するときは、主に朝の時間を使う。朝は午前6時ぐらいに起きて、まず朝食を食べる。その後、風呂に入りながら30分~1時間かけて、メールとネットのチェックをする。最近、ソニーのZ2という防水タブレットを買ったのだが、これが便利だ。iPadより軽く、完全防水なので、風呂でも使える。体をリフレッシュしながら、情報を得られるようになったことで効率のよい時間を過ごせている。

会社に出勤したあとは、日中のスケジュールはほとんど埋まっている。毎日18~19時までミーティングがあり、その後は必ず会食が入る。ワインか、日本酒は必ず飲むから、帰宅後は仕事といっても海外に電話するくらいで、午前1~2時までには寝る。経営者によっては、一人で沈思黙考する時間をもつ人もいるが、私の場合、一人で考え込む時間はまずない。人と話すほうが、考えがまとまるし、新しい考えも出てくるというタイプだ。普段はとにかく考えることよりも、大量に情報を頭の中に流し入れ、濾過させて、要らないものをどんどん捨てるようにしている。濾過して捨てる作業をすることで、本当に必要な情報が引っかかってくるのである。

言語化は最高の思考訓練

その意味で、私にとって重要な仕事が「松本大のつぶやき」というコラムを書くことだ。15年間ほど毎営業日書き続けている。休載したことは一度もない。内容は、あるニュースをテーマにすることもあれば、まったく世の中に関係のない、夏バテした自分の話などを書くこともある。「つぶやき」はマネックスのメールマガジンで60万通ぐらい。ブログも含めれば、実際何人読んでいるのかわからない。

文字量は毎日平均すると800字、原稿用紙2枚分くらいあるが、毎日数十万人向けにと思って書くというのは、それなりに文章をきちんと書き切らねばならない。しかも世の中のニュースの中から、どれを話題にするのか、一つの話題でもどこにフォーカスすべきなのか、そういう思考作業を全部しなければならない。思った以上に労力がいる。