アベノミクスでいくら給料が上がっても物価高では、生活がジリ貧だ。賢い投資法の伝授と堅実な家計の設計をお金のプロ、ファイナンシャルプランナー 北見久美子さんに依頼した。
城戸家の状況
城戸さん:36歳 会社員/妻:34歳 専業主婦/長男:5歳/長女:0歳
年収(税込み):590万円/貯金:400万円
専業主婦の妻の悩みは買い物。5歳の長男と0歳の長女を連れての外出が難しく、夫に同行を頼むと、自分が食べたいものを長男とともにレジかごに入れるので、食費がかさんでいた。
あるとき、日々の買い物にネットを活用している人の記事を読み、ネットスーパーの利用を思いついた。配達エリアには複数のスーパーがあったので、比較して安い店で買っている。ただまとめ買いをしないと配達料がかかるため、1週間分の献立を大雑把に立てて注文。おかげでムダな買い物がなくなり、食費が2割減った。
日用品などはアマゾンや楽天を利用。代金はカード払いだが、そのつど決済口座に入れているので使いすぎることがない。
北見久美子ファイナンシャルプランナーの診断
城戸家の家計にほとんどムダがないのはネットをフル活用しているから。
特に子供の年齢に関係なく、ネットスーパーを利用すると、食費を節約できる可能性が高い。小さな子供を連れて外出がしにくい、夫を同行させると好き勝手なモノを買うという妻の悩みが一挙に解決する。
複数のネットスーパーを比較して安いほうで買うという姿勢もいい。それでもすべての商品が最安値で揃うとは限らないが、一定金額に達しないと配送料がかかるため、割り切りも必要。トイレットペーパーのような保存の利く日用品は、アマゾンや楽天などのネットショップの最安店を利用。配送料がかからないように、月に1度まとめ買いする方法も賢い。適度な在庫は災害時の備えにもなる。
夫婦の趣味の読書も、紙の書籍よりも価格が安い電子書籍に切り替えたおかげで、本棚が増えなくなって一石二鳥。洋服は主にネットオークションを利用。安くて品質のいい良心的な店を見つけたという。うまくネット生活を楽しんでいる印象だ。
ただ住宅ローンのボーナス返済分として40万円計上されているのが不安要素。勤務先の業績悪化でボーナスが減っても耐えられるように、貯蓄と繰り上げ返済のバランスを取りつつ、早めの返済を目指したい。