もし、わが子の悪口が書かれていたら? 親としてまず打つべき手は、その学校裏サイトの削除要請です。大手の掲示板サービスに裏サイトがある場合はサービス運営会社に連絡(電話、メール、ファクス)すれば、速やかに対応してくれるでしょう。公序良俗を乱す書き込みがされぬよう大勢の社員スタッフが常にチェックしているはずです。

厄介なのは、人手の乏しい小規模のサービス会社や個人が運営するサービスに裏サイトがある場合。サイトの管理者やプロバイダに削除依頼しても無視されることがよく起こる。そうしたときは、都道府県の警察に設置されている「サイバー犯罪対策センター」に裏サイトに書き込みされた内容(ログ)をプリントして相談します(名誉毀損罪や侮辱罪、また裁判の証拠となることがある)。

ただ、学校裏サイトを削除することに成功しても、それは管理人によって“移転”されただけ。完全なイタチごっこ状態です。自治体の中には悪質な学校裏サイト探しを本格化させる動きもありますが、根本的な解決案は現状では見当たりません。いずれ早いうちに法律による規制強化などが必要となるでしょう。

今後さらに重要なのは、子供へのネットリテラシー教育です。大人より知識に長けているようでいて、実はネット上での暴言は人を傷つけること、書き込みをあとで悔やんでも半永久的にネット上に記録が残る可能性があることなどを理解していない。携帯やパソコンからの書き込みは、専門家がその気になれば、IPアドレスをたどって追跡するなどして、書いた本人の身元(住所・名前など)を特定することができます。こういったことも教える必要がある。本当の意味での「匿名」はありえない、警察が悪質だと判断すれば逮捕されることもあるということを。事実、08年、実名をあげて「殺す」と掲示板に書いた北海道の男子高校生が脅迫の疑いで逮捕されています。

最後に、裏サイトが“自然消滅”する妙案をひとつお教えいたしましょう。

「このサイト、バレてるよ」「先生や親が見てるらしいよ」などと裏サイトに書き込むのです。外部の目を意識した瞬間、書き込みの常連たちの気分も“盛り下がって”いくのです。

(山田清機=構成 小倉和徳=撮影)