岡田がリベラルに“土下座”した日
民主党の新しい代表は、細野豪志と決選投票にもつれ込む接戦だったものの、私が予想した通り、岡田克也に決まった。岡田は決選投票前の最後の演説で、あからさまに長妻昭にすり寄った。「格差是正という長妻さんの政策は私の主張と同じ」「選挙戦を通じて格差是正に関する長妻さんの見識に勉強させられた」「憲法改正は阻止」……。
同じく代表候補の細野にはまったく触れない一方で、長妻の名前をたびたび挙げてほめちぎる。長妻が今回の代表選挙で「リベラル勢力を結集する」と、リベラル転向を突然宣言したことにも呆れたが、さらにそれに乗っかる岡田も岡田だ。「憲法改正阻止」「アジアとの融和」「日本は過去の過ちは認めるべき」などと訴えた。清々しいくらいの“土下座選挙”だった。
1回目の投票で長妻に投票した議員は37人。しかし、決選で岡田が上積みできたのは19人分だけ。半数近くが棄権するか、細野に流れたことになる。岡田に対するアレルギーがそれだけ強いのかもしれないが、わかりやすすぎる演説に逃げた議員も多かったのではないか。必死で自身の夢を訴えた細野のほうが、好感度は上がった。
岡田という人物は「原理主義者」というあだ名があるくらい融通が利かないことで有名だ。本人も自分の直すべきところとして「人の話を最後まで聞かない」「温かみに欠ける」と指摘されたことがあると述べていたが、私の知る限り、リーダーとして足りない点はそれだけではない。
倹約家と言えば聞こえはいいのかもしれないが、岡田のよくないのは、それを他人に強要するところだ。岡田の下で働く人間のモチベーションをことごとく低下させる並外れたドケチだ。