100年に一度の投資機会

最後に、この場を借りて、申し上げたいことがある。欧米の金融機関は、金融市場が好調なときは、巨額のボーナスを得るために時価算定を積極的に進め、利益を前倒しにして損益計算書に反映させてきた。ところが金融危機以降、今度は政治的な圧力を加えて会計基準を緩和させて、損失を繰り延べて過小に見せかけるように動いている。

会計基準やディスクロージャーが、果たして利害関係のある団体の意向でコロコロと変更されていいのだろうか? しかも、莫大な税金が金融システムの安定につぎ込まれている。その税金が回収不能となったとき、最後にツケを払うのは、いつも一般の人たちだ。

私は、税金を使ってこれから達成されるであろう金融システム安定の効果を、直接的に個人投資家が享受できる場をぜひ提供したいと考えている。悪者扱いされるCDSだが、プロがガラス張りにして管理した適切なCDSを使うことでこれを実現できるのではないかと考えている。

今回の金融危機の一端はCDSが担った。しかし、ここは逆転の発想で、CDSを活用して税金のツケを取り戻し、「100年に一度の大きな投資機会」をぜひつかんでいただきたいと思う。

(山下知志=構成 芳地博之=撮影 マークイット=資料提供)