日本に深く浸透している『論語』。秩序と道徳を重んじる儒教の思想は、2500年の古より変わらぬリーダーたる覚悟と心構えを説いている。

3.権力を鼻にかけて驕りケチになっていないか

子曰く、如し周公の才の美有りとも、驕(きょう)且つ吝(りん)ならしめば、其の余は観るに足らざるのみ。

小宮さんが20代の頃から愛読している『論語の活学』(プレジデント社刊)。書き込みや付箋がびっしりだ。

この論語の言葉の意味は、「たとえ才能があっても、驕った態度を見せ、かつ吝嗇(りんしょく:ケチ)ならば、そのほかのことは見るまでもない」ということです。

現代でも、せっかくバリバリのやり手なのに権力・才能などを鼻にかけ、人を見下す態度をする人がいます。しかも、ケチときた日には、部下はついていくはずがありません。「驕かつ吝」の人の共通点は、【1】(http://president.jp/articles/-/14204)で触れた本来あるべき「先義後利」ではなく、「先利後義」である点で、自己中心的です。