がん研有明病院乳腺センター長
岩瀬拓士氏

男性も乳がんになることがありますが、極めて少ないため、乳がんは実質的には女性特有のがんといえます。その意味では、男性医師である私が受けたいというより、女性の身内や知人に受けさせたい乳がんの治療についてお話しします。

乳がんの治療は「乳房」「リンパ」「全身」の3つに分けて考える必要があります。「乳房を全部取るなら、抗がん剤治療は必要ないですか」という患者さんがいますが、すべて切除するか部分的に切除するかは乳房に関わることで、抗がん剤治療は全身に関わることです。これらは別問題として考えます。