GEに学べ!「新浪剛史」が社内で育つ方法

ある段階で全従業員の中から、将来のリーダーになりそうな人たちを見つけていろんな経験をさせる。さらに教育していく。実はこれこそが世界に名高いリーダー育成を誇るGEのやり方だ。GEは選抜した人材をクロトンビルという研修センターに集め、そこで徹底的に知識を叩き込む。それを実践させ、クリアできた人材をさらにプロモートしていく。

GE流育成のポイントは、いろいろな経験をさせて、失敗させるポジションに早くから登用することにある。ちなみに新浪氏も同じようなプロセスを経ている。MBA取得後、三菱商事から派遣され、ソデックスという給食会社で副社長、社長を経験。その後、ローソン社長に43歳で就任し、12年間CEOをやってきた。その間、売り上げも利益も伸び続けているが、途中でいろいろな苦労や失敗をいっぱいしているはずだ。その過程で勉強してきたことが、今の新浪氏をつくり上げたと言える。

将来リーダーになるべき人材は、早い段階で小さくてもいいから一国一城の主になることが必要だ。大組織のワンパートを経験するだけでは、全体像は見えない。小さくても構わないから経営を任せられると、全体が見えてくる。苦労はするが、鍛えられる。こうした育成を日本企業は意識的にしなければならない。

社長が変われば保守的な日本企業も大変革!

かつては本流とされる人事、企画出身の人材が内部昇格し社長に就任するケースが多かったが、内向きの世界に浸りすぎた人材は、変化を起こすリーダーにはなれない。

例えば、5~6年前、8000億円弱の大赤字を出し窮地に立っていた日立を救ったのは、一旦外に出され、呼び戻されて社長になった川村隆氏だった。川村氏は自らの後任にも、子会社に出されていた中西宏明氏を呼び戻して社長に据えている。2人は、あの保守的な日立がこれだけ変わるのかと言われるくらい変革した。日立は今、海外の投資家から非常に注目される会社の一つに生まれ変わった。2人は日立内部の人材だが、ある意味、外部から呼んできたのと同様の変化をもたらしたのだ。