国内外でカルテルが次々と摘発されているのをご存じだろうか。カルテル防止を担う独占禁止法の運用機関が、公正取引委員会である。この「経済憲法」の番人は、何を考えているのか。包まれたベールが今明かされる。
アメリカでは日本人が服役する事態も
――2013年3月に公正取引委員会委員長に就任してから1年余が過ぎました。この間、国の内外を問わずカルテル・談合の摘発が相次ぎ、日本企業を取り巻く環境が一段と厳しくなっていますが、現状をどう見ていますか。
杉本和行・公正取引委員会委員長
【杉本】企業活動がいかにグローバル化しているか、とりわけ欧米の競争政策がいかに厳しくなっているかを痛感しています。アメリカもそうですし、ヨーロッパもそうですが、「消費者の利益」ということを中心に据えて、競争制限的な企業の行動は利益を害しているという考えから、反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)に違反する行為の取り締まりを一層強化しています。日本は古来、“和をもって貴しとなす”を大事にする国民性が根づいていましたが、カルテル摘発は、その点が犯罪行為だと見なされるケースが増えています。これだけグローバル化した経済の下では国際的な基準に合わせていかないと、日本企業の存立にかかわる事態が起きないとも限りません。
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
(最初の7日間無料・無料期間内はいつでも解約可)
プレジデントオンライン有料会員の4つの特典
- 広告非表示で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント
