時間とお金とエネルギーを投資してつかんだ学歴
最近は、大卒の新卒採用も始めた。会社の業績や知名度が上昇していることもあり、入学難易度の高い大学の学生もエントリーする。その多くは、面接での受け答えはおおむねしっかりしているという。
「この問いには、こう答えると、よく思ってもらえるとわかったうえで話しているようにみえる。おしなべてよし、といった印象は強く受ける。ただし、中途はもちろん、新卒のときも、学歴だけでその人を判断し、採用を決めることはしない。私たちの会社は、まだ発展途上。皆と一緒に大きくしていこうとする、明確な考えや強い意志をもっている人であるか否かを重視している」
このようなことも、付け加える。
「特に新卒の採用試験で学歴をみるのは、人事としては、ある意味で当たり前のこと。大学に入り、卒業したということが、一定の努力をしたことを意味している。その姿勢は、会社に入っても、何らかの形で生きてくるだろうから」
阿部さんは、他の会社に勤務する高学歴な人をみると、いくつかの特徴があることに気がつくという。
例えば、仕事に関する、新たな知識を獲得するような学習が習慣になっていること。上司などからの指示を素早く、正確に理解する力がある。文章を速く、簡潔に、わかりやすくまとめる力があることなどだ。
「それらのほかにも、会社員としての人徳やリーダーシップなど、身に付けるべきことがたくさんある。だから、高学歴だからといっても、上手くいかないことはあるように思う。いざ、社会に出て仕事をするときには、たしかに学歴は関係がない。だけど、私個人は、学歴はそれ相当に大切なものだと考えている。私にとっては、時間とお金とエネルギーを投資してつかんだ資格みたいなものが、学歴。それが無駄になることはないんじゃないかなと思う」