実際に中国株に投資する場合、外国人が購入できる銘柄には制限がある。市場別に、中国本土では、上海市場に上場する上海A株・B株、深●市場に上場するA株・B株があるが、今のところ外国人が直接購入できるのはB株のみ。また、香港市場にはメーンボード銘柄として香港株(資本も登記も香港または中国以外の企業)、レッドチップ(資本は中国本土、登記は中国本土以外の企業)、H株(資本も登記も中国本土の企業)の3種類に加え、GEM銘柄(新興株)があり、これらは外国人が購入可能である。

この中で初心者向けは、大型・優良企業の多い香港H株だろう。中国の経済成長の恩恵を受けつつ(経済成長そのものを牽引しつつ)、香港という世界との連動性が強い市場で値が動いており、株価が適度にこなれるというのも特徴。日本でも扱う証券会社が多く、情報が揃っており安心感がある。株価は香港ドル建て。外国株式売買手数料のほか為替手数料がかかる点に注意したい。手数料は証券会社ごとに異なるので、取引前にコストを比較するといいだろう。

手軽に投資したいなら、香港市場のETF(上場投信)、特にH株指数と連動したようなものがお勧めだ。

個別株を買うなら、安心度・安定性で言えば一押しは銀行株だろう。中国の銀行は完全に政府の管理下にあるため、経営の不安が少ないのがメリットといえる。株価が上昇トレンドにある中、調整局面で少し下がったところを見計らって買えば、数年は持ち続けられる。国有色が強い、中国四大銀行の中で、上場しているのは中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行の3行。これらは現時点で時価総額が世界トップ3でもあり、世界的な評価も高いと言える。

※●=土のみぎがわに川

(構成=有山典子)