プリン体が痛風発作の元凶

プリン体とは、DNAやRNAを構成する物質で、プリン塩基とも称される。ゲノムではアデニン(A)、グアニン(G)の成分で、脳の活動や生体エネルギーに必須のアデノシン三リン酸(ATP)なども含まれる。

細胞のある食物には多かれ少なかれプリン体が含有される。プリン体は旨味成分とも考えられているそうだ。これを食べると、体内で消化、代謝される過程で尿酸となる。尿酸は屎尿(しにょう)となって体外へ排出されるが、過剰に生産されたものは血液に混じって体内をかけめぐり、ナトリウムと結合、尿酸塩となる。この尿酸塩こそが、痛風発作の元凶なのだ。

尿酸塩を電子顕微鏡でみると、鋭い棘をもったウニのような形状で、これが1億、10億と集合して神経に突き刺されば、もう、痛いに決まっている。

血液中の尿酸が7mg/dlを超えると高尿酸血症と診断される。この状態を放置していると、どんどん尿酸塩が生成され、蓄積されてゆく。私の場合、尿酸塩は右足首にとりついていて、ついには大爆発、炎上した!

痛風発作を避けるためには、まず、尿酸の管理をしなくてはならない。医者からは、

「血液検査で尿酸値が7以下になるよう、食生活を改善するように」

と、プリン体の含量一覧表を渡された。

「野菜に関しては、いくら食べてもだいじょうぶと言われています。気をつけるのは、肉、魚ですね。なにより、あなたの場合は、まず体重を落とすこと」

尿酸値は肥満に比例するのだそうな。

「アルコール類も控えて、しばらくは禁酒したほうがいいでしょう」

合点です、と私は当初、殊勝にも1カ月間1滴たりとも酒を口にしなかった。が、喉もと過ぎればなんとやら。

「いざとなったら、クスリがある」

さあ、カツオだ、カツオだ。

(佐久間奏=イラストレーション)
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