中日ドラゴンズ選手兼任監督 谷繁 元信氏

谷繁のプレーイングマネジャー就任が発表されたのは、13年10月9日。決断した白井文吾オーナー（中日新聞社会長）が「考える力、構想力を持っている」と高く評価すれば、新たにGM（ゼネラルマネジャー）になった落合博満も、「器が大きく、人間性がある」と、手放しで褒めた。

谷繁が正直に語る。

「いつかチャンスがあれば監督をやりたいと思っていましたが、まさか今年とは。オーナーをはじめ、球団から強く望まれ、よしやってやろうと、すぐに決断しました」

同年10月10日の就任会見では、ドラゴンズカラーの青いネクタイを締め、“負けない野球”を旗印に掲げた。

「相手の得点をゼロに抑えれば、試合に負けない。失点が相手より一点でも少なければ、試合に負けない。3万人のお客さんがアウトだと思う打球を確実にアウトにする。それが“負けない野球”の基本です」

“負けない野球”は、言葉を換えれば“守りの野球”。いわゆる「センターライン」が生命線になってくる。

捕手・谷繁と投手を結ぶラインは不変としても、長年、中日の二遊間を守った名手・井端弘和が退団した。

「でも、うちにはショートでとった選手がたくさんいる。彼らがチャンスと思うか否か。高橋周平だけでなく、チャンスは平等に与えられているのだから、目の色を変えてほしい」