普段から準備できる5つの怒り回避法
ここまでは10のスキルのうち、怒りが込み上げてきたときにとっさにできる方法を紹介してきたが、怒らない体質にするためには、日ごろからのトレーニングも必要だ。そこで普段から気をつけておきたい5つのスキルについて、解説していこう。
6.キープメンター
子育ての悩みを理解してくれる良き相談相手――メンターがいるだけで、イライラはかなり軽減できます。子育ての先輩やママ友など、悩みを何でも言いあえる相手をつくり、不満をアウトプットすることで、イライラが募るのを防ぐのです。身近でメンターが見つからない場合は、子育て支援センターやインターネット上の子育て支援サークルなどを活用する方法もあります。日記やブログに怒りを書き出すだけでも効果があります。
7.リロケーションアイ
イライラがおさまらないとき、思い切って気分を変える方法が、リロケーションアイです。
あるお母さんは、皆が寝静まったのを見計らい、夜中に1人でドライブへ出かけるそうです。日中とは違う特別な空間に身を置いて、車内では大きな声で不満を叫ぶ。時間にして20分ほどでも、胸の内にたまっていた不満がスーッと消えるとのことでした。
やったことがない新しい習い事に挑戦するとか、普段と違う道を通るなど、日常体験していない、少しストレスがかかるくらいのチャレンジをするのがポイントです。
8.アクトカーム
「今日は絶対に声を荒らげない」などと決めておけば、カッとしたときに怒りの暴走を抑える力になります。
このように「○○しない」と決めるスキルをアクトカームといいます。「『早くしなさい』と言わない」など、イライラしたときについ口にしてしまうセリフを禁止してみましょう。急にはできないので、「今日の午前中だけ」とか「2日間だけ」など、目標を決めて徐々に延ばしていくといいでしょう。
9.リフレーム
イライラや怒りを感じる原因となっている心の枠を変えてしまおうというスキルが、リフレームです。
たとえば、5歳の兄は朝からご飯をたくさん食べるのに、4歳の弟は半分近く残すうえに、食べるのが遅い。これがイライラの原因だったとします。この場合、「上の子が食べるのだから、下の子も食べるはずだ」という心の枠があるのかもしれません。そこで、「兄弟でも、食べる量やスピードが違うのは当たり前」だとリフレーム(考え直し)するのです。