ビジネスでの勝負は「論理」より「主観」

企業経営とは、決断の連続です。とくに小売りはスピードが非常に速い。経営者は、重要な意思決定を次々と迫られることになります。それも24時間365日。休んでいる暇はありません。だから、健康管理は非常に重要ですし、常に心身がフレッシュでなければいけません。

そうなると「2日酔い」では務まりません。私は夜の会合があっても、二次会にはほとんど付き合いません。ローソンに来たばかりの2年ぐらいは、周囲との融和を図るために付き合っていましたが、いまでは二次会とは縁を切りました。夜の会合は9時半まで。その後は自宅で、書類に目を通したり、メールを返したり、明日のための仕事をします。飲めないわけではないのですが、酒量はワイン1杯程度にしています。

社長に就任して10年が過ぎました。これからは徐々に意思決定を役員などに譲っていくつもりです。仮に役員などの責任ある立場の人間だとすれば、夜を徹して酒を飲むようなことは避けたほうがいいでしょう。意思決定は真剣勝負。明晰な頭脳と溌剌とした体調でなければ、取り組めません。2日酔いでは、真剣勝負の仕事はできないでしょう。

ビジネスとは結局のところ、論理よりも主観の勝負です。

ビジネスの現場では、論理的には甲乙をつけられない複数の選択肢から、1つの選択を迫られることがよくあります。お互いの選択肢が異なるときには、主観がぶつかり合うことになる。その際、最終的に「この人の言うとおりだな」と納得したり、「この人についていこう」と思ったりするのは、その人の持っている「エモーション(感情)」や「パッション(情熱)」によります。

相手や周囲を説得するには言葉に力が必要です。言葉にパッションが感じられるかどうか。だからこそ、健康管理が重要になるのです。寝不足や2日酔いはビジネスの大敵です。