分譲会社の次に重要なのが、実際の建設工事を担う施工会社だ。こちらもやはり大成建設、竹中工務店、鹿島建設、清水建設などの大手が理想ではある。しかし実際問題として高額になるし、さらに大手デベロッパー×大手施工会社の組み合わせとなると、物件は大型タワーマンションなどが主で、選択肢が限られてしまう。
したがって、実質的な対象となるのは、準大手の施工会社ということになるが、チェックすべきは工事がむやみに下請け・孫請けに出されていないかという点である。建設中の現場を覗きにいって、作業員の制服やトラックに記入された社名が公表されている施工会社名と違っていないか確認しよう。
また工期が予定よりも不自然に長びいたり、逆に短縮されていないかも調べ、疑問に思うことがあれば販売会社に尋ねてみるとよいだろう。予定変更があってもそこに正当な理由があれば心配ないが、4月完成の予定を3月の決算期に間に合わせるために突貫工事で工期を短縮したりしていると、住み始めてからそのしわ寄せが建物に出てくるものである。
さて、無事購入が決まり、入居してからお世話になるのが管理会社だ。マンションは管理の仕方で住み心地はもちろん、資産価値にも影響が及ぶもの。中古マンションであれば、管理組合が活動しているので、総会の議事録などで把握できるが、新築マンションでは管理規約案、管理業務委託契約書案、長期修繕計画案などの作成案をチェックすることになる。最終的には購入者が全員で承認して成立するものであるが、必ず目を通したい。
管理会社は分譲会社の系列会社であることも多いので、分譲会社に有利な案になっていないか注意しよう。また、管理会社に問題があった場合、マンションの住人で組織する管理組合の権限によって、管理会社を変更できるということは覚えておきたい。
一方、中古マンションの場合は、物件の情報を管理会社から収集したり、売り主との交渉をしてくれる仲介会社がカギとなる。丁寧な対応をしてくれるかどうかを見極めるようにしたい。
さらに、物件を観察して、外壁や廊下などに大きなひび割れや赤や青の変色がないかなどを確認しよう。確実を期すなら、鉄筋建築物の構造に詳しい一級建築士などのプロに依頼して見学に同行してもらう方法もある。