「恋愛力の衰え」は軽視できない
私のラボで、一都三県の未婚男女8796人を対象に年齢と恋愛人数についての調査をしたことがあります(年齢とともにどれくらい新規の恋愛関係を作れたか)。それによれば、もっとも恋愛経験が得られるのは男女ともに24歳までがピークで、それ以降は加齢とともに減少します。40歳を超えるともはや「恋愛ってどうやってするんだっけ」となる未婚も多いことでしょう。
この「年齢による恋愛力の衰え」は軽視できません。まさに「鉄は熱いうちに打て」と同じで、恋愛なき加齢後はもう固まって恋愛する気もなくなります。
にもかかわらず、今の若者には、経済的不安が覆いかぶさり、「結婚するためには一定の年収を稼がなきゃ」と思わされています。仮に目標の年収に到達しても、その間に年齢を重ねてしまうと手遅れになります。繰り返しますが、これは女性だけではなく男性もそうです。
以下のグラフは、年齢力と経済力が恋愛力にどれくらい影響するかを示したものです(図表3)。
簡単にいえば、24歳までの恋愛力を100とした場合、男女ともに25~29歳で約40%減、30~34歳で60%減、35歳以上では70%減となります。それだけ落ちた恋愛力を経済力(それぞれの年齢の平均年収よりいくら加算すべきか)で補填しようとしても、とても追いつかないという状況を表しています。
たとえば、男性の場合、24歳を超えると恋愛力が44%落ちますが、それを年収100万円増額で補填しようとしても25%しか回復しません。つまり、29歳までに年収100万円上げるよりも24歳までに恋愛相手を見つけるほうが確率が高くなるということです。
本当に必要な「少子化対策」とは
それでも29歳まではまだなんとかなりそうですが、30歳を超えると、年齢力は62%も衰えるので、たとえ年収を平均年収より400万円高く稼ぐようになっても24歳までの年齢力に戻せないということになります(逆にいえば、平均を大きく超える相当高い年収であれば中年になってもなんとかなるかもしれないということでもありますが)。
一方、女性の場合は、男性より経済力の補填効果が薄いので、ひとつ歳を重ねるごとに相手を見つけることがより困難となります。
要するに、冒頭の『やまとなでしこ』の台詞は男女ともに当てはまる教訓で、男女とも年をとればとるほど恋愛できなくなるわけです。
ちなみに、2025年出生動向基本調査で、5年以内に恋愛結婚した男女(お見合いなどを除く)が結婚相手と付き合い始めた平均年齢というのがありますが、男24.6歳、女23.2歳です。いずれも恋愛結婚した男女というのは24歳までに出会った相手と結婚しています。
正直「24歳までに結婚を考えるのは早い」と思う若者が多いとは思いますが、結婚するかしないかは別にして、若いうちに恋愛をせず、後回しにすればするほど結婚が遠のく可能性があります。恋愛力や経済力以上にこの年齢力の重要性を認識しておいた方がよいでしょう。
いまさらながら、樹木希林さんの名言「結婚は若いうちにしなきゃダメなの。分別がついたらできなくなるんだから」という言葉がしみじみとくるものがあります。逆にいえば、少子化対策には、若者が20代のうちにお金の不安なく恋愛できるような環境を整えることこそ必要なのでしょう。
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