20代の半分以上が未婚の現実
とはいえ、晩婚化がなかったとは言いません。1980~2015年までは確かに晩婚化はありました。男女とも20代の初婚の激減に対して、30代での初婚が多少増えていたわけです。それも2015年を境に潮目が完全に変わり、男女とも30代ですら初婚率が激減して、今に至ります。
かつての「晩婚化」現象はもはや微塵もなく、今起きているのは20~30代の若者すべての非婚化です。要するに、男女すべての年齢で初婚が激減しているのですから、婚姻数が減るのは当然で、婚姻数に依存する出生数も必ず減少します。
2025年国勢調査における30歳時未婚率(25~34歳未婚率の平均)は、男65%、女55%もあり、こちらも1920年以降過去最高です。これがどういうことかというと、男女初婚の平均値・中央値・最頻値ともにすべて20代のうちなのに対して、それを達成できた割合が男35%、女45%しかいないということになります。男女とも半分以上が、20代で結婚できなくなっているということです。
「結婚したいと思っていたのに、いつのまにか30歳を超えてしまった」
実はここにこそ婚姻減の本質が隠れています。
婚姻減の要因としては、若者を取り巻くふたつの大きな環境変化があります。
見落としがちな男性の「年齢力」
ひとつは社会環境変化で、かつて皆婚を支えていたお見合いや職場結婚などの「結婚の社会的お膳立てシステム」が消滅し、結婚がチーム戦から自力による個人戦に移行したこと。さらに、結婚が市場化し、条件で選び・選ばれるという原理に飲み込まれてしまったこと。巷ではアプリ婚が増えているという声もありますが、あれこそ「結婚の市場化」の最たるもので「恋愛強者3割の総取り市場」です。個人の恋愛力でなんとかできる者だけが結婚できるという結婚の弱肉強食時代を形成しました。
もうひとつは、経済環境変化です。経済上位3割(大企業勤務や公務員など)を除く7割の若者にとっては、昨今の物価高により生活そのものが苦しい上に、耳に入る情報は、結婚や子育てにかかるコスト増大の話ばかり。そのため若者が描く「結婚や子育てに必要な年収ハードル」だけが異常に高騰して、中間層の若者にとってはもはや「手の届かない贅沢品」化しています。
こうした「結婚の個人化」と「結婚の市場化」によって、恋愛力または経済力のない者は「したくてもできない不本意未婚」の道を進むことになるわけです。若者の初婚減は、それができる上位層しかできなくなったということを示しています。
そして、見落としがちなのが「結婚における年齢力」の問題があります。これは必ずしも女性だけの問題ではなく、男性も同様です。
身も蓋もない話ですが、恋愛には「限界年齢」があります。もちろん、いくつになっても恋愛したい・恋愛できる層も存在しますが、多くは若いうちに経験しておかないと加齢とともに恋愛意欲は薄れ、恋愛力は衰えます。

