もう少しの頑張りで全く違う世界が

実は私も親から「勉強しろ」と言われた覚えがありません。でも私の場合は、勉強していたわけでもないし、勉強ができたわけでもなかった。親が勉強をそれほど重要視しなかったのです。

小学生のころの通信簿は5段階評価の「3」ばかり。たまに「2」がちらほらという感じで、クラスの成績順で言えば下から2番目でした。でも通信簿を見せても、親は「(3ばかりで)ミンミンゼミだな」と言うくらい。

私の親は勉強には無関心な親でしたが、私が興味を持ったことは必ずサポートしてくれました。天体望遠鏡を買ってくれたり、電車が好きになったらブルートレインを見に連れていってくれたり。子供の意欲をまめにくみ取ってくれる親でした。

私が勉強するようになったのは中学に入ってからです。

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学習量と効果には「べき乗」の関係がある。最初は伸びが緩やかだが、もう少し頑張ると急上昇していく。

中学1年生の担任の先生から「中学生になったら学年+1時間は毎日家で勉強するものだ」と脅されて、バカ正直に1日2時間ずつ勉強していたら、1年で人よりできるようになった。そして2年生ではクラスでトップにまでなったのです。後で気付いたら、1日2時間なんてほかの子は誰も勉強していなかったというオチだったのですが(笑)。

勉強の努力と学習効果は、「べき乗」の関係にあることが知られています。つまり勉強量と成績の関係は単純な比例関係ではなく、むしろ幾何級数的な急カーブを描いて上昇する。1、2、4、8、16、32……という具合に最初はゆっくり、しかし勉強を続けるほどに成績は長足で伸びていくのです。

どんな子にも「やる気になる一瞬」はあります。ところが一生懸命に勉強しても、なかなか思うように成績が上がらない。それで意欲を失って、勉強を投げ出してしまうのです。