海外メディアが問う「節約」の代償

海外メディアは各国選手団の苦境を報じ、経費削減のため選手村を建設しないという判断を批判している。

アウトルック・インディアは、最大かつ最も長期化している論争が、この「ただ一つの決定」に端を発していると指摘した。アルジャジーラは、ホテル、コンテナ型宿泊棟、クルーズ船を組み合わせた宿泊方式を、「ひどくうまくいっていない」経費削減策だと評する。

一方、大会を統括するOCAは、選手村の見送りに問題があったとの認識は示していない。AP通信によると、OCAは18日、7月の締め切りまでに登録した「1万7000人超の選手と役員」全員に、「大会にふさわしい宿泊施設」を確保したと主張した。国際オリンピック委員会(IOC)のカースティ・コベントリー会長に至っては、宿泊施設に「とても感銘を受けた」と述べたと、アルジャジーラは伝えた。

画期的な成果を挙げられたはずが…

インド週刊誌のオープンは、使い道の限られる建物を建てずに済ませることには一理あると認める。そのうえで、宿泊先を分散させるのであれば、ミスのない部屋割りや確実な輸送に加え、問題が起きたときの責任の所在を明確にすることが重要だと論じる。「建設費を節約しても、そうした運営上の責務がなくなるわけではない」との指摘だ。

締め切りまでに登録した全員に部屋を用意したというOCAの説明にも、同誌は疑問を呈する。「部屋が存在することと、選手がそこにたどり着いて使えることは、準備の度合いを測る別々の物差しだ」。

同誌の見立てでは、資格認定(アクレディテーション)と送迎の手配、確保した部屋と実際の宿泊者の照合など、別々の仕組みが連携する部分でミスが繰り返されている。こうした見方に照らせば、張選手が空港で待たされたのも、タイの選手の名前が名簿から漏れたのも、連携の不備の表れと考えられる。

選手村を設けず、電通にも頼らないなど、これまで資金の無駄遣いとの批判もあった領域で新しいやり方を試みた今大会。細やかな連携が取れていれば、画期的な成果を挙げられる可能性もあった。

各国の選手団を迎える開催国として、国際的な期待に応えられていないことが悔やまれる。

2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村(晴海フラッグ)
2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村(晴海フラッグ)(写真=Dick Thomas Johnson/CC-BY-2.0/Wikimedia Commons)

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