まずは対象者を3グループに分類
規程の別添1第I章(総則)第1条によれば、対象者は最初にタイミングや階級、入隊ルートの違いなどに応じ、以下の3グループに分類される。なお、同じ病気・同じ重症度でも、どのグループに属するかで軍務適格性の判定が異なってくる。一例を挙げれば、軽度の機能障害を伴う前立腺炎はI群であれば予備役編入となるが、III群なら軍務に就ける(平時の場合。詳しくは後述)。
I群:初回兵籍登録時、召集による入営時、契約に基づき下士官・兵の階級で入営する時など
II群:召集により軍務に就いている下士官・兵、訓練召集された予備役など
III群:契約に基づき軍務や予備役に就いている者、など
再動員を示唆する1つ目の動きは、2026年3月の規程改正だ。上記のIII群に該当する者として「軍務を終えていない者、または召集による軍務を終えた者であって、動員令・戒厳令・戦時下(注:以下「有事」と総称)において、契約によりロシア連邦軍に入ろうとする国民」が新たに追加された。
これまで、どのグループにも有事を明記した規定は無かったため、動員令下であっても志願者の大部分を占める「契約に基づき下士官・兵の階級で入営する者」はI群であったが、ここにはもともとIII群との重複除外規定が付いていた。よって、今回の改正により、動員令が出ている限り、すべての志願者を最も緩いIII群として適格性判定に付せるようになった。
持病の重さで悲喜こもごも、適格性審査
さて、グループが決まったならば、軍務適格性審査の対象となる疾患や症状の確認、重症度の決定が行われる。法第5.1条第1項によれば、審査は、軍事医療委員会を構成する内科・外科・脳神経内科/外科・精神科・眼科・耳鼻咽喉科・歯科の7つの診療科の医師のほか、状況に応じ軍医も参加する大がかりなものである。
対象となる疾患/症候は、規程の別添1第II章(疾病表)において88カテゴリーにまとめられ、国際疾病分類(ICD-10)に定める順序におおむね従ってリスト化されている。1つのカテゴリーは、重症度とグループの2軸でマトリックス化され、それぞれに適格性が割り振られたうえで、各々の重症度にどのような疾患名や症状が該当するかの詳説が付いている。以下にマトリックスの例を示す(詳説は省略。なお、キリル文字の記号を、対応するラテン文字に転記した)。
規程の別添1第I章(総則)第2条に従い、軍務適格性は、制限の弱い順に以下の5段階に分けられる。
A:適格
B:軽微な制限付き適格
V:適格制限
G:一時的不適格
D:不適格


