単なるコメントで終わってしまっている
私自身、若い頃は、何とか一言を絞り出そうとして、「私も同じ意見です」「○○さんもそう言ってました」「以前にも似たケースがありました」といった発言をよくしていました。一見すると会議に参加できているように思えます。
しかし、その発言には新しい視点も、その先の「だから何?」もないので、議論が進まないのです。返ってくるのは、少し含み笑いを交えた「まぁ、そうだね」の一言だけ。そして、そのまま話題は次へ移っていきます。そのたびに、「自分は、実は議論に参加できていないのではないか」というもどかしい気持ちになったものです。
このような状態に陥ってしまう一番の原因は、発言が「ただのコメント」で終わっていることにあります。
会議で評価される人は、たくさん話す人ではありません。ほんの一言でも、議論を一歩先へ進められる人です。難しい意見を言う必要はありません。少し視点を加えたり、次の一手を示したりする。その程度でも、存在感は大きく変わるのです。
「現状の再確認」を「質問」に変える
では、そのためにはどうすればよいのでしょうか。ここからは、今日から会議の場で実践できる3つのテクニックを紹介します。
(1)「コメント」を「質問」に変えてみる
会議で発言がスルーされる人には、ある共通点があります。それは、「言いっぱなし」で終わっていることです。たとえば、「まだ暫定策も決まっていませんね」。これは単なる「現状の説明」で止まっています。聞いている側も、「確かにそうだね」と思うだけで終わり、議論は前に進みません。
しかし、ほんの少し形を変えるだけで、空気は一気に変わります。「まず、暫定策だけ決めますか?」。このように、現状の説明をそのまま「質問」に変えるのです。
会議では、意見より質問のほうが場を動かします。なぜなら、質問には「次にどうするか」を考えさせる力があるからです。質問が投げ込まれた瞬間、誰かが答え始める。すると議論が動く。そして、その流れをつくった人こそが、会議を前に進めた人として印象に残るのです。
会議で価値が出る人は、必ずしも鋭い答えを持っている人ではありません。「どちらを優先しますか?」「まず何を決めますか?」「一度、論点を整理しますか?」という問いを投げられる人は、会議を前に進める人として見られ始めます。「次の一歩」を示せるだけで、存在感は大きく変わるのです。

