鋭いことを言えなくてもいい
(2)議論を要約してみる
会議において圧倒的に価値が高い人は、「議論を要約できる人」です。
会議が長くなると、どれだけ優秀な人でも、少しずつ現在地を見失っていきます。「そもそも、今日は何を決める会議だったのか」「今話している内容は、本題なのか枝葉なのか」「結局、誰が何を持ち帰るのか」が見えなくなるものです。
最初は一直線だったはずの議論に、細かな論点が増え始める。誰かが新しい観点を持ち込み、別の人が過去の経緯を話し始める。すると議論は、まるで枝が絡まり合うように広がっていき、迷走していくのです。
そんなとき、必ずしも場を救うのは、答えを持っている人とは限りません。「ここで整理すると、論点は2つですよね」「つまり、今日はAを決めて、Bは持ち帰りですね」。このように「現在地」を言葉にすると、場の状況は一気に整理されるのです。
実際、仕事ができる人には、大きく2つのタイプがいます。1つは、細部まで深く入り込み、施策を具現化できる人。もう1つは、全体を俯瞰して、次にどこへ向かうべきかを示せる人です。後者は、会議全体を動かす力を持っています。
もしあなたが、「専門知識では勝てない」「鋭い答えをすぐ出せない」と感じているなら、無理に中身で勝負する必要はありません。その代わりに、「今何を話しているのか」「どこまで決まったのか」「次に何を決めるべきか」を整理する側に回るのです。
“様子見”の空気を打ち破る強さ
(3)みんなが曖昧にしていることを、あえて言い切ってみる
会議では、なかなか結論が出ないことがよくあるものです。どの案にもメリットもデメリットもあり、決め切れない。誰も次の一歩を踏み出せない。そんな「停滞した会議」を、みなさんも経験したことがあるのではないでしょうか。
実は、この状況こそがチャンスです。多くの人が本当は早く決めたいのに、「自分が言ったら反対されるかもしれない」「責任を負う立場になりたくない」「間違っていたら怖い」。そう思って、様子見を始めるのです。
ここで、この空気を破れる人は本当に強い。「まずはスピード優先で進めましょうか」「今回は、完璧さより影響範囲の小ささを優先しますか」「とりあえず、この方針で進めてみませんか?」こうして、みんなが曖昧にしていることを、断定する形で言葉にしてみるのです。
間違っていても構いません。トリガーさえあれば、止まっていた会議が一気に動き始めます。「確かに、それでいいかもしれない」「まずはそれを優先しよう」。誰かが乗り始めると、場は一気に流れを取り戻します。みんなが止まっている場面で、たった一押しをするだけで、議論を収束させる手助けができるのです。

