発症後「48時間」が分かれ道
心房細動で血栓ができやすいことは、前項でお話ししました。ただ、たとえリスクの高い「高齢」「糖尿病」「高血圧」の方々であっても、心房細動が起きたら瞬時に血栓ができるわけではありません。
血栓ができるには、最低でも「48時間」かかります。言い換えれば、48時間後から、血栓が作られている可能性が出てくるわけです。
そのため、心房細動の発作が起きても、動悸などの症状がつらくなければ、無理に救急外来に飛び込まなくても大丈夫です。48時間以内=日が明けた翌日に病院へ行けばいいわけです。
病院では、48時間以内に心房細動の症状が現れたと医師が確認できたら、異常な電気の流れを止める作用の注射をします。すると、心房細動のバラバラな脈・動悸がきれいに消えて、正常な脈のリズムに戻ります。
48時間後に減る治療の選択肢
ただ、「48時間以内」ということを知らずにそれ以上たってしまった、自覚症状がないのでいつ起こっていたかわからない、という場合もありますよね。
残念ながら、48時間が経過していると、この注射は使えません。なぜなら、心房の中にすでに血栓ができている可能性があり、その状態で心房細動を止める注射をしてしまうと、心房細動が止まった途端に血栓が血流に乗って飛んでしまうおそれがあるからです。
注射で治せるのに、誰にでも注射をしない理由はここにあります。仮に、1カ月前からあった心房細動を注射で止めたら、心房細動は止まっても、代わりに脳梗塞になりかねないリスクを抱えてしまうからです。
また、念のためにお伝えしておくと、この注射による治療は、起こってしまった心房細動を対症療法的に止めるものなので、再発が予防できるわけではありません。
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