ワニによる傷より銃で撃たれた腕が重傷に
悲鳴とともに、片足をワニに噛みつかれたその人は腰が抜け、転げまわります。そのすぐ後ろにいた二人のうち一人がとっさに拳銃を抜き、至近距離から発砲しました。ですが、なんとその弾はワニではなく、噛まれている人の腕に当たってしまったのです。
足にはワニが食らいついて、腕には至近距離からの銃撃……当人にはこの上ない災難です。結局、噛まれた人はすぐに救助され、なんとか助かりましたが、ワニによる足の傷よりも銃で撃たれた腕のほうがずっと重傷で、銃弾でくだけてしまったひじの骨を修復するために何度も手術をする羽目になったとのことです。
笑えない冗談のような話ですが、実際のところパニックになってバシャバシャと転げまわる仲間を避けて、半分水の中の足元のワニだけを的確に撃つのは射撃の名人でもむずかしいはずです。むしろその弾が噛まれている人の急所に当たらなかっただけでも、不幸中の幸いだったと思われます。
ではいったい、ワニを追い払うにはどんな道具が一番良いのでしょう。
意外にも答えはシンプルで、ただの棒です。木製でも金属でもいいので、硬くて、野球のバットくらいの長さと太さがある棒で、ワニの鼻っ面を強く叩くのが最も効果的です。
調査に出かけるとき「必ず用意するもの」
先述のとおり、ワニが何かに噛みついている時は、ほかの物に噛みつくことはできないので、無防備になります。そんな時に攻撃を受けても、ワニは口を放さない限り反撃ができません。
ワニの背中や尾は硬いうろこや分厚い筋肉に覆われているので、そこを叩いても大した効果はありませんが、細長い顔の上部は私たちの脛のように骨と皮だけです。そこを硬い棒でガーンと叩かれると、ワニといえども嫌がって、ほとんどの場合口を放してくれます。
たとえ噛まれた本人に棒でワニの顔を叩く余裕がなくても、そばにいた人がワニの頭や顔を叩けば口を放してくれる可能性は高いです。
これなら万が一、棒での一撃がはずれてその人の足に当たってしまった場合でも、銃のように大ケガや最悪の事態になる心配はありません。
みなさんが、ワニに襲われる危険がある場所にどうしても立ち入らなければならない場合は、拳銃ではなくて、バットか鉄パイプのような、硬くて丈夫な棒を持つことをおすすめします。
じつは私もワニの調査や撮影に出かける時は、必ず船に棒の用意をしています。幸いにも今のところはこの棒を使う機会には恵まれていませんが……。
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