NISAよりiDeCoのほうが確実に税金を減らせる
2024年に新NISA(少額投資非課税制度)が導入されてから投資をはじめる人が急増した。NISA口座数は2025年末時点で約2800万。成人の4人に1人が口座を持っている計算だ。職場や友人との飲み会でNISAの話題が出るのも普通の光景になった。
一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者は、ようやく400万人を超えたところだ(2026年6月現在)。わずか7分の1。NISAには飛びついたのに、iDeCoは「なんだか手続きが面倒くさそう」「60歳まで引き出せないんでしょ」で止まっている人が大半のようだ。でも毎年の税金を確実に減らせるのは、iDeCoのほうである。この放置は損でしかない。
そもそも会社員にできる節税対策はほとんどない。個人事業主のように経費は使えないし、各種控除も会社が年末調整で勝手に処理してくれる。会社員には自分の工夫で税金を減らす余地がほとんど残されていない。
しかし数少ない例外がiDeCoである。iDeCoの掛金は全額、「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、所得控除される。会社員がみずからの判断で利用できる控除としては最大級だろう。この節税手段を使わないのはもったいない。
iDeCoは3段階で税制優遇が受けられる
iDeCoの仕組みはシンプルだ。加入者はその掛金を自分で選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に老後資金として一括または分割で受け取る。つまり「自分でつくる年金」である。
そして繰り返すが、iDeCoの掛金はその全額が所得控除の対象だ。たとえば毎月2万円を積み立てれば、年間の掛金は24万円。その24万円がまるごと所得控除される。所得税と住民税を合わせた税率が20%の人なら、年4万8000円ほど税金が減るわけだ(税率が高い人ほど節税効果は大きくなる)。
さらにNISAと同様、運用中に得た利益に税金がかからない。通常、金融商品の運用益には20.315%の税金が発生するが、iDeCoではそれが無税となる。
くわえて、一括で受け取る場合は退職所得控除、分割で受け取る場合は公的年金等控除が適用される。
掛金を出すとき、運用しているとき、受け取るとき。iDeCoではその三段階で税制優遇がほどこされる。そんなおいしい資産運用の制度はほかにないだろう。

