小説以外の説明文を読め!
それとともに伸ばしたいのは、文章題に挑むための国語力だ。信じ難いことだが、いま、有名中学の生徒でも、数学の問題文を読めない子供がいる。
字が読めないわけではなく、問題文を咀嚼(そしゃく)して、自分の頭でイメージし、再構成することができないのだ。当然ながらそうした生徒は問題文を人にわかりやすく図解したり、要点を伝えたりすることも苦手だ。
そこで親御さんに提案したいのは、子供が小学生なら、物語や小説のほかに図鑑や小学生新聞といった「説明文」を読む習慣も同時につけてやること。また中高生なら、新聞や新書(講談社ブルーバックスや岩波新書など)を与えてやることだ。
我々は、算数・数学には国語力が必要だと考えている。文を組み立てるトレーニングをすれば次第に咀嚼力は高まる。
文章題ができるようになると、子供の自己学習能力は格段に上がるはずだ。なぜなら、何か関心のあるテーマが見つかったとき、自ら本などの知識にアクセスして情報を読み取る力があれば、知識は積み重ねられ、知恵をつくり出すことができるからだ。
有名校では、勉強ができるのは当たり前だ。自分よりできるやつがごまんといる。学校の授業範囲以外の何ができるのか、そこで大きな差が生まれてくる。家庭でも子供の好奇心を育てられそうなネタを見つけていけば、「勉強しなさい」と親が言わなくても勝手に学び始めるだろう。
我々の経験上断言できるのは、「人に聞いたり、人から教えてもらったりしないとやらない(できない)は伸びない」。国語力を強化することは、トップに躍り出るための必須条件なのだ。