「地方から東大は難しい」という刷り込み
都市部と地方との情報格差はなくなったのです。それなのに、地方の子どもたちが難関大学に挑戦しないのはなぜか。その理由は、「情報」そのものにあります。
スマートフォンで、いつでも、どこでも、世界とつながれるせいで、逆に自分の世界を狭めているのです。YouTubeのおすすめ動画は、「この動画を観た人は、こちらの動画にも高評価をつけている」といった統計的データにもとづいて提示されます。
つまり、提示されるのは自分が好む傾向に「近い情報」です。
言い換えれば、驚きや違和感を与える異質なものは意図的に排除されています。その結果、過去に言われていた「地方から東大は難しい」という動画や記事を今読んだ人は、同じような内容の動画や記事が画面上に表示されます。何度も「地方から東大は不利」「都会と比べると難しい」といった情報に触れていると、自分は挑戦してもムダだと考えてしまい、挑戦する意欲が薄れてしまう。意識的ではないにしろ、そのように思い込んでしまいます。情報が豊富にあるどころか豊富すぎるがゆえに、子どもたちの視野はアルゴリズムに囲い込まれ、広がるどころか狭まってしまうのです。
負の思い込みの強度
同じことは大人にも当てはまります。
同じようなSNSやネット記事、広告を何度も繰り返し見てしまうことで「これが正しい」「これをやらなければ遅れてしまう」と思わされてしまいます。
数年前に流行ったダイエット方法やサプリの情報が、いまだに「効果的」として紹介されていることがあります。それを見た人は、試してみようか迷い、うまくいかないと「自分はダメだ」と落ち込んでしまうこともあります。
過去のトレンドが正しいかのように語られると、自分の判断よりも「みんながやっていること」に従わざるを得ない気持ちになってしまうのです。
さらに、日常生活の小さな選択にも影響します。コンビニで「この商品が人気」と紹介されると、特に味や必要性を考えずに手に取ってしまいます。スーパーでの健康食品や栄養ドリンクも、広告やレビューで「今の流行り」と言われ、買ってしまったことがある人も多いのではないでしょうか。
これらと同じように、子どもも情報に惑わされて、自分の未来の選択肢を狭めてしまうのです。ですので、親自身も誰かの言葉やデータを鵜呑みにせず、子どもに「本当にそうなのか?」と確かめる姿勢を見せることが求められます。
親が情報を整理し、自分の頭で判断する姿は、子どもにとって身近な手本となり、流されずに未来を選ぶ力を育てることになります。


