一方で地方進出も図る同社は、全国を北海道・東北、関東、甲信越、東海、関西、中四国、九州の7エリアに分けて攻め入る。
松本会長は、「重点エリアは東海と関西です。首都圏に次ぐ人口を持つ市場ですから、近く専門販社に変えたい」と意気込む。
現在、マツキヨの愛知の店舗は16店。大阪は26店、兵庫14店、京都9店にすぎない(13年1月末現在)。本拠地の千葉183店、東京の154店とは雲泥の差だ。
首都圏に比べて出店余地が残る関西地区は、とくに各社が狙う。コスモス薬品は九州地区で培った食品中心の手法を武器に、10年に兵庫に進出して以来、26店を持ち(13年9月末)、「関西500店構想」を掲げた。
ツルハは、和歌山と大阪に14店を持つ薬局を買収。関西の足場を築いた。
グループ企業のディスカウントストア「ダイレックス」を武器に、サンドラッグが攻め入る先は長野や東北地方だ。その理由は「過疎地が多く、第1次産業の従事者も多いから。田舎では都市部とは違う日用雑貨が売れる。今後は都市部をコンビニ業態で、過疎地はダイレックスの業態で、高齢客を囲い込みたい」と才津達郎会長は語る。
一方、海外は目立った動きがない。
「12年7月、タイに出店した。海外はタイの足場固めから」(ツルハHD・鶴羽樹社長)
「中国も視察したが、医薬品販売の認可がむずかしく、地代家賃も安くない。台湾やタイ、インドネシアなどでFC展開するのが現実的」(松本会長)
「日本国内の統一」が先のようだ。
(小野達多志、川本聖哉、田辺慎司、永井浩、山口典利=撮影)