コードはエンジニアにとって最大のプレゼンツール

エンジニアのスキルは、「その人が書いたコード(プログラム)を見れば一発でわかる」(三木氏)という。そこで、「CodeIQ」ではエンジニアが集まる場所を作り、その実力がわかるコードを集めることを狙った。そして実力が分かったエンジニア同士を直接繋げることで、結果として自然に転職が生まれるような仕組みを作った。エンジニアにとっては、履歴書やレジュメではなく「コード」こそがもっとも確実に自分の能力をプレゼンテーションできるツールとなる。

「CodeIQ」では、企業の第一線で働くITエンジニアの手によって実践的なプログラミングの問題が出題される。腕に覚えのあるエンジニアは、公開されている問題に解答する。企業のエンジニアがその解答コードを評価し、これぞという解答者に「ウチに来ませんか?」とスカウトをかける。いわば「エンジニア向けの腕試しクイズ」に答えることで、エンジニアが自身のスキルを確認したり、社外に新しい人脈を作れるサービスというわけだ。三木氏は「プログラムが好き」、「モノをつくるのが好き」、という人に光を当てたいと話す。

「職種によって自分を最も的確に表現する方法は異なります。エンジニアにとってはコードがまさにそれにあたります。CodeIQでは転職に限った話だけではなく、コードで自身を表現できるよう、あくまでエンジニアの知的好奇心を刺激する“面白そうな問題”を出題し、ゲームのように楽しんで参加してもらうことを重視して運営しています。そうしてエンジニア同士がゆるやかなコミュニティで繋がることで、これまでと違った分野のスキルに対する興味が出てきたり、転職を考えるきっかけになるような出会いが生まれたりする。そういった可能性が広がっていく場を提供することが第一の目的です」

情報処理推進機構の調査によるとWebサービスの市場規模は2020年には約50兆円に達するという。ビジネスを成長させるためには企業にとって適切なスキルを持ったITエンジニアの存在が不可欠である。採用手法の多用化によってエンジニア同士のつながりが活性化していけば、企業としては本当に必要な人材を発掘することができ、エンジニア自身も自分の実力を発揮できる場所で働くことが可能となる。従来の手法に捉われず、職種に合った方法を取り入れることこそ、採用の質を高めよりよいマッチングを図る鍵といえるだろう。

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