文庫本のデータのみ集計している立大のセントポールプラザ書籍店(丸善)は、「文庫や新書を副読本にする教授が多い。教科書に指定された書籍も高価だと売れない」。就活本番の10月には、同店で15~20%引きで簿記関連・就活本フェアを打つ。「OBで授業も持つ坂本直文氏の就活本が売れる。後期の売り上げはここで立てる」(丸善)。
OB・OGの著作はどこも好調で、早大生協でも、村上春樹は別格として、近年では三浦しおん、朝井リョウらが売れた。「早大ゆかりの著者の本が、時期を問わず息長く売れている」(早大生協コーププラザブックセンター)。
法大キャンパスを舞台にした吉田修一著『横道世之介』(文春文庫)が新入生を中心に好調で12位に入ったのは、法大生協の市ヶ谷書籍部だ。
「自分の好みで選ぶよりも、売れている本と店のお勧め本を知りたがる学生が多く、『POPをもっと出してください』と言われる」(法大生協)
明大駿河台キャンパスの三省堂書店では、齋藤孝教授の『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、堀田秀吾教授の『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(クロスメディア・パブリッシング)など“コミュ力”関連が息長く売れているという。
各表のバラつきは、偏差値以上にOBなど大学ごとの事情の違い、生協や書店の推し方の違いの表れのようだが、同時に、意外に真面目で地道な学生の姿が浮かぶ。むしろ親世代がこのランキング表を見習うべきなのかも。
※主に文系3~4年生の占めるキャンパス内の生協もしくはテナント書店で2013年4~6月のPOSデーターを集計。教科書類は除く。立教大学は文庫本のみを集計。