真面目で優秀な社員から先に辞めていってしまう
経済学には「悪貨は良貨を駆逐する」という法則がありますが、これは現代の組織風土にもそのまま当てはまります。職場に有害なエースが存在するとき、最初に限界を迎えて去っていくのは、実は会社を支えている「誠実で優秀な社員」なのです。彼らは責任感が強く、チームのために尽くそうとします。だからこそ、有害なエースが撒き散らす不機嫌やマウントに誰よりも傷つき、疲弊してしまいます。
最近ではフキハラ(不機嫌ハラスメント)といって舌打ち、ため息、あからさまな無視、威圧的な態度などで周囲に不快感や精神的プレッシャーを与える行為を忌み嫌う風潮も出てきました。そうした理不尽を会社が「成果を出しているから」と放置しているのを見ると、真面目な社員ほど「この会社に自分の未来はない」と見切りをつけ、静かに、そして真っ先に離職を決意します。結果として職場には、有害な人と、それに怯えて思考を止めた人だけが残るという、最悪の悲劇が起こるのです。
この問題の根深さは、後からの「育成やマネジメント」では取り返しがつかない点にあります。どんなに優れた理念教育やリーダー育成研修を行っても、一度染みついた有害な行動パターンを変えることは極めて困難です。つまり、組織を守る最大の防壁は「採用」にあります。「能力が高いから」と妥協せず、理念に共感し、周囲と良好な関係を築ける人を選ぶこと。入り口での見極めを誤らないことこそが、誠実な社員が安心して活躍できる、健全な組織風土づくりの大前提なのです。
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