父親は長女の胸ぐらをつかみ、倒した

5月25日、東京都渋谷区にある阿部氏の自宅で姉妹は喧嘩をした。阿部氏は、姉妹に「静かにしなさい」などと注意したようだ。

長女は阿部氏に言い返した。口答えされた阿部氏は、かっとなり長女の胸ぐらをつかんで倒した。公表された長女の手紙によると、殴る・蹴るなどといった暴力はなかった。

父親と大がかりなけんかになったのは、今回がはじめてだったという。長女はチャットGPTに相談した。AIは、「匿名で相談できる児童相談所というものがありますよ」と回答したようだ。AIの回答に従い、長女は児相に電話をかけ、「どのようにすればいいかわからない」といって相談したという。

児相の対応は、長女にとって想定外だったようだ。自身の意向を尋ねられることはなく、警察に通報されたという。自宅を訪問した警視庁渋谷署員は、阿部氏を現行犯逮捕した。「警察が来て一番驚いているのは自分自身」と手紙にあったように、長女としても親子のけんかで、阿部監督が逮捕されるとは想定していなかったようだ。

AIの回答から始まった「想定外の連鎖」

その数時間後、阿部氏は釈放された。26日に阿部氏は監督の辞任を発表し、謝罪会見を行った。長女は、記者会見で代理人弁護士が読み上げた手紙を自らの意思で書いたという。それほど、AIの回答に従った後の展開は長女の想像を超えたものだったことが窺われる。

長女のけがは確認されていない。過去に家族から警視庁への相談はなかったとも報じられた。

長女が自分で考えた場合、自らの意思で警察に通報した可能性は低い。生成AIの回答が、児相への相談、児相から警察への通報、逮捕、辞任、さまざまな影響の起点になった。阿部監督辞任にAIが重大な影響を与えた点は冷静に考える必要性が高い。