“天空にそびえる石垣”だけじゃない…豊臣秀長が攻め落とした「竹田城」を“城マニア目線”で案内する《城下町から山頂、出丸まで》(今泉 慎一)

雲海に浮かぶ姿から「日本のマチュピチュ」と評される、兵庫県朝来市の竹田城。近年は絶景スポットとして高い人気を誇る一方、かつては豊臣秀長が城代を任されるなど、戦国史にも深くその名を刻んでいる。

古城探訪家の今泉慎一氏が、大河ドラマ『豊臣兄弟!』ゆかりの山城の“いま”を訪ねた。

豊臣秀長が攻め落とした「竹田城」を“城マニア目線”で紹介する 写真=今泉慎一

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弟・秀長がついに主役となる但馬攻め

『豊臣兄弟!』第21回は「風雲!竹田城」。ついに弟・秀長の出番だ。現在の兵庫県北部を攻めた「但馬攻め」の最前線を任された秀長は、みごと竹田城を攻め落とし、のち城代を任される。

竹田城は「日本のマチュピチュ」「雲海に浮かぶ天空の城」などとも称され、絶景観光地としてもよく知られている城だ。

確かに絶景もこの城の魅力だが、それだけでは実にもったいない。竹田城の魅力は主要部のみならず、細部にもいくつも隠れている。戦国の息吹をリアルに感じたいなら、すみずみまで歩いてみるべきだ。

麓からの登城路で山城の洗礼を浴びる

竹田城を訪れる人のほとんどは、城の北西麓にある山城の郷か竹田駅から周遊バス「天空バス」でアクセスする。終点で降り徒歩20分ほど歩けば、天守にたどり着ける。比高差は100mほどとそこそこあるが、道は整備され歩きやすい。

一方で、城下町があるのは東麓。こちらからも登山道が延びているが、比高差は約250m、距離は約900mで、徒歩だと40分ほどかかる。山城としての竹田城を体感したいなら、当然、選ぶべきは後者だ。

登山道経由の理由は、山城体感以外にもうひとつある。麓の寺町通りはかつての城下町の風景を今も残しているのだ。

城主ゆかりの古刹あり、鯉が泳ぐ水路あり。山上に直行するルートでは見られない風景を目にし、歴代城主の供養塔にも手を合わせてから、城へ向かうことにする。

登山道入口からは、はるか頭上に竹田城。比高差250mを実感。意を決して登り始める。

ゆるやかなのは最初だけで、すぐに勾配はぐっときつくなる。訪問時は3月中旬だったが、あっという間に汗が吹き出してきた。

全国区のネームバリューを持つ竹田城だが、この道をたどる同好の士は誰もおらず……。山城の洗礼を浴びつつ、歩を進める。

それにしても石が多い。やはりあれだけの石垣を築けたのには、この山自体が石の産地だったのが大きいのだろう。