我、城に到達せり

汗を拭いつつ、ひたすら登ること40分。いきなり視界が開けた。覆い被さるように連続する石垣は間違いなく竹田城のものだ。

行く手を阻むこの感じ。「我、城に到達せり」と(心の中で)叫び、疲れが一気に吹き飛ぶ。

竹田城は、山頂の天守を中心に、北と南に伸びる尾根上に曲輪が列をなしている。

先ほど登山道の終点から見上げていたのは、北側の尾根の先端にある曲輪、北千畳の石垣だ。

北千畳から二の丸へと続く道には大手門。カクカクと何度も直角に折れている。侵入者の勢いを削ぐための虎口だ。

ちなみに縄張図によっては、城到達直後に見た石垣群の部分を大手門としている場合もある。いずれにせよ、石垣群からこの直角の連続折れまで含め、一体化した防御施設だったのだろう。

虎口は内外両方から眺めたほうが楽しめる。ここは二の丸側から見たほうが、その屈曲ぶりがよくわかって面白い。

北千畳まで来ると、天空バスで訪れた人たちと次々出会うが、ほとんど足を止めず天守方面へ急いでいる。立ち止まってこんな場所を取っているのは自分ぐらいだが、実にもったいない。

二の丸のすぐ南が本丸、そして天守だが、もう一カ所、寄り道したい場所がある。二の丸の北西側斜面へと下る道をたどると、それが見えてくる。

草に埋もれかけていた凹みは、一見「本当に井戸なのか?」と思ったが、近づいてみると石積みも残っているので、間違いないだろう。

水の手は城の生命線。見逃すべからずな遺構だが、二の丸から下っているのは自分ぐらいだった。