まずは1センチでいい

大きく変わろうとすると、たいてい動けなくなる。

福田恵里『「私なんか」を「私だから」に変える本』(日経BP)
福田恵里『「私なんか」を「私だから」に変える本』(日経BP)

「人生を変えたい」「もっと自分らしく生きたい」――そう思うとき、頭の中ではいつも、劇的な転換が起きている。

仕事を辞める。引っ越す。全部リセットする。

でも現実には、何も変わらない日が続く。変化のハードルを上げすぎて、最初の一歩が重くなりすぎているから。

1cmでいい、と思う。

いつも頼まない料理を、今日だけ頼んでみる。いつもと違う道を、帰り道に歩いてみる。言いたかったけど黙っていたことを、少しだけ口にしてみる。それは、誰かに気づかれないくらい、小さなはみ出しだ。

でも、その1cmは確かに存在する。「枠の中」にいることに慣れた体は、1cmはみ出しただけで、少し景色が変わることを知っている。怖いと思っていたものが、意外と何でもなかったことに気づく。そして次は、もう少しだけ遠くまで行ってみようと思う。

変化とは、そういうふうに、静かに積み重なっていくものだと思う。革命ではなく、ほんの少しのズレの連続。1cmが2cmになり、いつの間にか、以前の自分が立っていた場所が、遠くに見える。

大きく踏み出さなくていい。まず、1cmだけ。その小さなはみ出しが、あなたの輪郭を、少しずつ書き換えていく。

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